Move

エド・サリバン・ショーとは

「エド・サリバン・ショー」は、名司会者エド・サリバンが、毎週ゲストを呼んで紹介した。ライブ演奏のほか、お笑いや曲芸、人形劇などもあるバラエティーショーだ。今の音楽バラエティー番組の原型と言っていい。1948年から23年間続いた。

出演したのは、ルイ・アームストロング、シュープリームス、サミー・デイビス・ジュニアら、そうそうたる面々だ。

1964年と1965年に計4回出演

ビートルズは、エド・サリバン・ショーに1964年と1965年に計4回登場した。「オール・マイ・ラヴィング」、「シー・ラヴズ・ユー」、「イエスタデイ」など、各回3~6曲を演奏した。

封印されていたお宝映像

ビートルズの出演映像は、これまでにもビデオなどで発売されてきた。2003年にDVDとして発売された本作「エド・サリヴァン presents ザ・ビートルズノーカット完全版」は、それまで未発表だった6曲分も含まれていた。テレビ放映後、40年近く封印されていたお宝映像だった。

ポール・マッカートニーとジョン・レノンが仲良く歌う

際立つのは4人の初々しさだ。後に険悪なムードになったこともあったポール・マッカートニーとジョン・レノンも、とても仲が良さそうだ。1965年の映像では、2人が1本のマイクで「涙の乗車券」を歌っている。

動画

涙の乗車券(Ticket To Ride)」(1965年9月、エド・サリバン・ショー)
「抱きしめたい(I Want To Hold Your Hand)」(1964年2月、エド・サリバン・ショー)



映画「イマジン」を製作したアンドリュー・ソルト氏

このDVDをプロデュースしたのは、イギリス人のアンドリュー・ソルトさんだ。ソルトさんは、音楽ドキュメンタリー番組を数多く手がけてきた。ジョン・レノンのドキュメンタリー映画「イマジン」(1988年)も製作した。エルビス・プレスリーやローリング・ストーンズらのドキュメンタリーもつくった。

サリバンの遺族と著作権交渉

彼らの映画や番組をつくろうとすると、必ずエド・サリバン・ショーに行きあたる。映像の使用許可をもらうため、著作権を持っているエド・サリバンの遺族とは何度も会っていた。

そのうち、遺族が権利すべてを売ることを承諾してくれた。1971年の番組終了後、お蔵入りしていた秘宝映像である。ソルトさんは自宅や車を担保に銀行から資金を借り、1993年に購入した。

英アップルから使用許可

さらに、1990年代、ビートルズの映像をノーカットで発表する許可を、版権を管理している英アップルから得た。初出演から40年となる2003年に向けてDVDを企画したという。

1960年代の雰囲気がわかる

DVDに登場するのはビートルズだけではない。シーラ・ブラックやキャブ・キャロウェイらの演奏のほか、CMを含めた番組丸ごとが収録されている。1960年代半ばの雰囲気までわかる。